ツーバイフォー住宅の優れた特長は、すべて「面構造」が基本となっています。
北米生まれの「ツーバイフォー住宅」は、「在来木造住宅」とはまったく異なる考え方の建築工法です。もっとも大きな違いは、建物の支え方です。「在来木造住宅」が「柱」や「梁」などを点で結合するのに対し、ツーバイフォー住宅では構造用製材でつくった枠組みに構造用合板を張り付けた「パネル」で床・壁・屋根を構成して建物を支えます。つまり軸組工法は「線と点」で、ツーバイフォー工法は「面と線」にる6面体で建物を支えているわけです。
強固なモノコック構造
「面構造」を基本にしたツーバイフォー住宅は、6面体ができあがると、家全体が強いモノコック構造(一体構造)となります。モノコック構造はもともと、極限の強度が求められる航空機用に開発されたもの。スペースシャトル、新幹線、F1レーシングカーにも採用されているほど、きわめて強固な構造です。
モノコック構造のツーバイフォー住宅は、地震や台風などの力を建物全体で受け止め、荷重を一点に集中させることなく全体に分散させてしまうので、外力に対して抜群の強さを発揮します。
合理的でシステマチックな工法だから、高品質・高性能を保てます。分かりやすく規格化された構造用製材

ツーバイフォー工法では、分かりやすく規格化された構造用製材を使用します。それぞれの構造用製材はJAS規格によって厳しく品質がチェックされ、使用する箇所ごとに製材品の規格なども細かく定められています。また、国土交通大臣が認定した海外の規格材も利用可能です。さらに多様なニーズに対応するために平成19年の告示改正によりスリーバイ系の幅広の材料も追加されました。
くぎや接合金具もシステマチックに専用化

ツーバイフォー工法では、接合部に専用のくぎや接合金物(Cマークなど)を使用します。特にくぎに対しては使用する箇所や間隔、打ち方、仕様本数にいたるまで細かく明確に規定されています。また、くぎのサイズ別にカラーリングが施されています。これは一度打ち込んでしまうと確認の難しいくぎを、くぎの頭の色により確実にチェックできるように考えられたものです。最近では、メッキ処理されたくぎが規格に加えられ、建物の耐久性向上につながっています。
六面体で支えるモノコック構造だから地震に強い
世界有数の地震国である日本において、住宅の「耐震性」はもっとも重要な基本性能です。日本でツーバイフォー住宅が着実に増えている大きな理由はここにあります。
床・壁・屋根が一体となったモノコック構造のツーバイフォー住宅は、地震の揺れを6面体の建物全体で受け止めて力を分散させます。地震力が一部分に集中することがないため倒壊・損傷がなく、地震に対して抜群の強さを発揮します。
さらに床・壁・屋根に使用されるパネル(ダイヤフラム)自身が、ツーバイフォー住宅の優れた耐震性の源になっています。建物の床や天井を形成する「水平ダイヤフラム」は、外からの力を分散するとともに、建物のネジレを防止。壁を形成する「垂直ダイヤフラム」は、建物の変形や倒壊を防ぐ機能をもっているのです。

揺れを面全体で受け止めるツーバイフォー住宅
以下はツーバイフォー住宅と在来鉄骨軸組工法による住宅に、それぞれの建物の重さに比例した力を加えて、その伝わり方を比較したものです。色が黄・赤に近いほど負荷が大きいことを示します。

木は鉄やコンクリートより強い
意外に知られていないことですが、建築資材としての強度でも、木材はきわめて優れているのです。素材の強度を測る比強度(強度/比重)で木材、鉄、コンクリートの3つを比較すると、木材は引っ張り比強度で鉄の約3倍、圧縮比強度では実にコンクリートの約12倍もあります。

阪神・淡路大震災にも耐えたツーバイフォー住宅

1995年1月17日午前5時46分、兵庫県南部を襲った阪神・淡路大震災。震度7という近年まれにみる激震に加え、大都市の直下で発生した地震であったために、想像をはるかに超えた大惨事となってしまいました。
この地震による家屋の被害は、全壊約10万1,000棟、半壊を含めた一部損壊が約28万9,000棟以上(平成7年4月24日の自治省(現・総務省)消防庁発表より)。しかし、このような壊滅的な状況下でさえ、ツーバイフォー住宅に大きな被害はありませんでした。日本ツーバイフォー建築協会の調査によると、被災地のツーバイフォー住宅のうち96.8%※がとくに補修をしなくても継続して居住可能な状態を保ったことがわかっています。
(※残り3.2%は、地盤の移動・液状化及び隣家のもたれかかりにより住宅の一部が損壊したものです。)
死者の約9割にあたる人が建物の倒壊による犠牲者といわれる阪神・淡路大震災。このデータからも住まいの耐震性がいかに大切であるかがわかります。
新潟県中越地震でも強さを証明したツーバイフォー住宅

2004年10月23日午後5時56分、新潟県中越地方を中心に、マグニチュード6.8、最大震度7の大地震が襲いました。発生が想定されていなかった地域での大地震であり、あらためて日本列島が地震列島であることを実感させられました。
この地震は本震の後、最大震度5弱以上の余震が15回も短時間に発生したことも、大きな特徴となっています。このため家屋の被害は全壊・半壊が約18,800棟、一部損壊を含めると全部で約9万棟もの住宅が損壊の被害に遭ったといわれます。そして、ここでも日本ツーバイフォー建築協会の調査によるとツーバイフォー住宅の大きな被害は報告されていません。
木は火に弱いとお考えではありませんか? 実は、木の家は、耐火性にも優れています。
実は「木は火に強い」

木は火に弱い、とお考えではありませんか? 確かに木材は燃えやすい性質をもっています。しかし、ある程度の太さや厚さがある(つまり断面が大きい)木材は、いったん燃えても表面に炭化層をつくるだけ。火は内部まで進行しないため、強度が低下しにくいという性質をもっています。 これに対し、火に強いと考えられている鉄は、550℃を超えると急速に柔らかくなって変形し、その強度が大幅に低下します。住宅の場合、骨組みが崩れ落ちてしまうことにもなりかねません。
じつは「木は火に強い」のです。700~950℃にまで達するといわれる現実の火災においても、実大火災実験の結果などから、これは事実として確認されています。
ある程度の太さや厚さがある(断面が大きい)木材は、燃えると表層部が炭化して、火の進行がストップ。
中心部は燃え残って強度を保ちます。
ツーバイフォーの「ファイヤーストップ構造」

ツーバイフォー住宅の場合、火の通り道となる床や壁の枠組材などが、ファイヤーストップ材となって空気の流れを遮断し、上階へ火が燃え広がるのをくい止めます。また床根太、枠組材などが一定間隔で組まれている床や壁の内部構造は、防火区域がいくつもつくられているのと同じ状態で、この一つひとつの区画によって火の進行がさらに遅くなります。 火災時に防火被覆(せっこうボード)が万一突破されても、このように2重3重の防火機能をもつ「ファイヤーストップ構造」によって、ツーバイフォー住宅は初期消火の可能性が高く、火災時の被害を最小限に抑えます。
石膏ボードでさらに耐火性アップ
ツーバイフォーでは、すべての天井や壁の内側全面に、厚さ12.5mm以上の石こうボードが貼られます。石こうボードの中には約21%の結晶水が含まれていて、炎があたると熱分解を起こして約20分もの間、水蒸気を放出するという優れた特性を発揮します。このため火災が発生しても、天井裏や壁の内部の温度が上昇しにくく、構造材が発火点(約450℃)に達するまでの時間を大きく遅らせることができます。 また床・壁の内部に埋め込まれる断熱材も、火災時の熱が構造材に伝わりにくくし、石こうボードとともに木材の発火を遅らせます。これによりツーバイフォー住宅の耐火性は、さらに高くなっています。

水蒸気を発生する石こうボード
火災現場:
石こうボード裏側には火がまわっていません
内部火災に強い高気密構造
火災発生場所として最も多い内部火災において、高気密な構造をもつツーバイフォー住宅なら、窓やドアを閉めておけば、新しい酸素が供給されずに自然鎮火することもあります。
もらい火にも強いツーバイフォー住宅

隣家で火災が発生した場合、外壁の表面温度は800℃以上にも達するといわれますが、ツーバイフォー住宅はもちまえの優れた耐火性で類焼を防ぎます。
高い耐火性は火災保険にも反映されています
高い耐火性能を有しているツーバイフォー住宅は、火災保険料率にも反映されています。火災保険料率の構造区分はA、B、C構造に分かれており、一般的な木造建築物は料率が最も高いC構造として扱われています。ですが、1時間以上の耐火性能を有する「耐火構造」のツーバイフォー住宅はA構造に扱われ、RC造と同等なのです。また、45分以上の「準耐火構造」であればB構造になります。
※詳しくは損害保険会社にご確認ください。
ツーバイフォー住宅は台風・竜巻にもだんぜん強い

ツーバイフォー住宅の屋根(軒下)は強風に対して、構造的に優れた強度を備えています。台風以上に強烈なハリケーンが襲う北米で生まれただけに、強風に備える独自のアイデアが採用されているのです。その一つが「ハリケーンタイ」と呼ばれる、あおり止め金具です。この金物の1個当たりの許容耐力は、実に2,303N(風速70mの時に金物1個当たりにかかる力は1,666N)もあります。ハリケーンタイは屋根のたる木と構造壁をがっちりと連結し、強風にあおられても屋根が吹き飛ばされないようにします。
最近では、ツーバイフォー住宅だけでなく、在来軸組住宅にもこのハリケーンタイが使われるようになっています。また、多雪地の軒先の雪庇対策としても有効な金物です。
ハリケーンタイ

ツーバイフォーの屋根は、全体で一面の構造体となっています。軒下から強い吹き上げ風があっても、屋根が持ち上げられにくい強固な構造です。




























